七時間目のUFO研究
- 作者: 藤野恵美,HACCAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/16
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
主人公が友人と一緒にペットボトルロケットの実験をしていると、友人が突然「UFOを見た」と言い出す。自分は見えなかったけれど、話をあわせて見えたことにしてしまう。その話が広まって、怪しげな雑誌やテレビ番組の取材がやってくる。
『アダムスキー江尻』という人物が出演する『デムパの沼』というトンデモ番組がでてきたり、その人物の「宣託」を利用して施設誘致を目論む町長がいたり、マナーの悪い報道関係者たちが描かれていたり。こんな本を小学生が読んでいるんだ、ということを大人たちには知ってほしいものです*1。
「(略) ぼくは共感はできなくても、アダムスキーさんのファンの気持ちっていうのは、想像できるよ。」
(略)
「自分を導いてくれる絶対的な存在というものを求める……。自分がどうすればいいか、だれかに教えてもらいたい……。アダムスキーさんの言うことを盲信する人は、そんなふうに思ってるんじゃないかな。それはとても、楽なことだから。」
「楽、ですか?」
「ああ。自分で考えなくていいっていうのは、楽なものだよ。自分の考えで、自分の責任で、自分で選び取っていくのは、こわいものだからね。だれかが、絶対に正しいというものを教えてくれたら、生きるのは楽になると思う。」
(p188-189より引用)
小さいころは、「絶対に正しい」ものの存在を信じていました。成長し、学習するうちに、「絶対に正しい」ものなど、ないということを知ります。でも、その状態を続けるのは簡単なことではない。
つくば市の図書館には入っていないようなので、身近な人たちに読ませたら寄贈しようかと思います。