words
短歌は面白い。 空港でチェックにかかりポケットの中身を全部出すドラえもん 行きたいと思う気持ちが足りなくてどこでもドアを使えなかった 自転車で君を家まで送ってた どこでもドアがなくてよかった 僕たちが今進んでいる方向の未来にドラえもんはいますか…
『新しい一歩踏み出そうかな、今日から。ナカガワ エミ、第2章、みたいな。』 おそらくは帰宅途中の、女子高生(名前は仮名)。友達と2人で歩いているところを、後ろから私が追い抜いたときに聞こえた言葉。 こんなセリフは、私には、とてもじゃないけど創作…
先日行った、管弦楽団フルートパートのコンサートのパンフレットから。 多くの演奏者から愛されているフルートアンサンブル、フルート3重奏のための『想い出は銀の笛』を演奏します。 フルートが大好きで、フルートと一緒に生きてきた。そしてフルートを通じ…
僕らの生まれてくる もっともっと前には もう アポロ計画はスタートしていたんだろ? 本気で 月に行こうって 考えたんだろうね なんだか愛の理想みたいだね 最近の勤務先のBGMから。かっこいい。
『想像できない音は出せない』
「そういうなよ、飛ばさないからさ。自転車より遅く走らすから」 哀願するような声音だった。 私に会って日常を離れ、中学生の頃を思い出したから、皆なに囲まれ鉄棒を握り大車輪をやって感嘆されたときが一瞬よみがえったから、それでいうのだと分かった。…
日が暮れかかる。人はねぐらに急ぐときだが、おれには帰る家がない。おれは家と家との間の狭い割れ目をゆっくり歩きつづける。街中こんなに沢山の家が並んでいるのに、おれの家が一軒もないのは何故だろう?……と、何万遍かの疑問を、また繰返しながら。 冒頭…
大きな岩が長い年月をかけて砕かれ、こうして海から吐き出され、浜に集まってくる。 水を吸うことを覚え、流れることを覚え、変化することを覚えるごとに、小さくなるのだ。 文庫228ページ。
煙突の先の白い煙は、空の青さにとけるように消えていく。ぐっと目を開き、そのぼんやりとした煙をにらむ。すると、それは上空の風に吹かれて、気分よさそうにかすかにゆれた。僕はしっかりと見とどけなくてはならない。最後まで、決して目をそらしてはなら…
ロリータ、わが生命のともしび、わが肉のほむら。わが罪、わが魂。ロ、リー、タ。舌の先が口蓋を三歩すすんで、三歩目に軽く歯にあたる。ロ。リー。タ。 朝、ソックスを片方だけはきかけて立つ四フィート十インチの彼女はロだ。ただのロだ。スラックスをはく…
「そうそう。ホームシックってのは指をしゃぶるようなもんなんだね。じぶんに自信がもてないと出てくるんだ。」 「それともきたえられてない時かどっちかよ。」 岩波少年文庫123ページ。
「あら、おばあさん、なんて大きなお耳。」 「おまえの声が、よくきこえるようにさ。」 「あら、おばあさん、なんて大きなおめめ。」 「おまえのいるのが、よくみえるようにさ。」 「あら、おばあさん、なんて大きなおてて。」 「おまえが、よくつかめるよう…
アルバム開いて 気付いたことがある 私の産まれた日 みんな笑ってた (かわらないこと〜since 1976〜) 年を重ねる度に この日を喜んだ母の気持ちを思う 今の私は あの日願ったママの子ですか…? (Happy birthday to me)
「けっきょく、世の中のすべてが気に入らないのよ」 それを聞いて、僕はさらにぐんぐん落ち込んでしまった。 「そうじゃない。そういうんじゃないんだ。絶対にちがう。まったくもう、なんでそんなことを言うんだよ?」 「まさにそのとおりだからよ。あなたは…
とりもどすことのできない風船をああ遠いねえと最後まで見た
るてえる びる もれとりり がいく。 「蛙語」による演説の冒頭。こちらのページ*1に全文と日本語訳が載っているので、興味がある方はご覧ください。 *1:音楽が流れるので注意
あなたが真顔でわたしに言ったことがあるサイコロに七以上の目のないことが不満なのわたしたちはこんなに呻吟して時間の流れに押し流されているというのに サイコロはいくら転がったって人生のように齢を重ねてはいかない本当は七から先が面白いのに本当は七…
2006年5月31日付、朝日新聞朝刊第一面、『分裂にっぽん』より。飲食店専門の日替わり派遣スタッフ*1として生計を立てる東京の26歳のフリータの言葉。 仕事先で一度も名前を呼ばれない日もある。本気でしかられることも、ほめられることもない。次の日は来な…
ながらへばまた此の頃やしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき このブログのタイトルは、この短歌から。百人一首の中でもとりわけ好きな歌です。
ハリケーン・リリ、ボストン・マリ 誰も君のようには笑わない ハリケーン・リリ、ボストン・マリ 誰も君のようには泣かない サビ以外のフレーズをまったく聴いていないのでよく分からないけれど、この歌詞はすごいと思う。個性みたいなもんか。こういう言い…
父母が頭かきなで 幸く在れて いひし言葉ぞ忘れかねつる(ちちははが かしらかきなで さくあれて いひしけとばぞ わすれかねつる) 〈丈部 稲麿〉 「万葉集」巻二十 2006年5月5日付の朝日新聞「折々のうた」(大岡信・選)より。駿河の防人の歌だそう。 「幸…
悲しいんじゃなくて 疲れただけ 休みをください 誰に言うつもりだろう ・・・ 美しくなんかなくて 優しくも出来なくて それでも呼吸が続くことは 許されるだろうか その場しのぎで笑って 鏡の前で泣いて 当たり前だろう 隠してるから気付かれないんだよ 夜と…
バイト中、ずっと同じ歌が頭の中を回っていた。 キスしながら唾を吐いて 舐めるつもりが噛み付いて 着せたつもりが引き裂いて また愛求める ひとつにならなくていいよ 認め合えばそれでいいよ それだけが僕らの前の暗闇を 優しく散らして 光を 降らして 与え…