ストリートライブにMCは必要だろうか

『世の中には2種類の演奏会がある。曲と曲の間に「MC」が入る演奏会と、入らない演奏会だ。』


と、くだらない二分法を冒頭に置いてみました。くだらないのはともかく間違ってはいないでしょう。1つの大曲しか演奏しないという演奏会*1は別として、普通の演奏会では、司会者が何かしら曲の解説をしたりするか、あるいはそのような解説が入らないかのいずれかです。どちらのケースが多いのかは分かりませんが、おそらく、クラシック音楽の演奏会では司会が入らないことが多いのではないでしょうか*2
私はいわゆるライブと呼ばれるような演奏会にはほとんど行ったことがないのですが、おそらくライブでは、司会(MC)が入らないほうが珍しいだろうと思います。


演奏会やライブに、司会やMCは必要なのでしょうか。文章で書くのが面倒なので、箇条書きで書いてみます。

  • 客は、基本的に、音楽を聴くために来ている。
  • 曲の解説は大抵プログラムに書いてあるし、曲に関する知識があってもなくても、その曲を致命的に楽しめないということはない。
    • 変奏曲のような、曲の持つ構造に強い意味がある曲は、事前にある程度の知識があったほうが楽しめるだろうけど、致命的ではないよね。*3
    • 有名な映画の中で使われた曲であるとかの情報は、音楽を聴く上では必要ない。
  • 曲の解説っていらないんじゃない?という話。
  • プロのライブで、歌手本人がMCをつとめるのには意味があるだろう。そこに集まっているのはその歌手のファンばかりであり、ファンたちはその歌手の肉声が聞けるだけで興奮するのだから。
    • 別に、ミーハーを非難してるとかじゃなくてね。
  • マチュアのバンドでも、ライブハウスみたいな客が固定されている場所での演奏であれば、MCはあっていいのかなと思う。
    • 聴きっぱなしは疲れる。
    • 演奏してる方も、休まないと疲れる。
  • でも、(演奏が上手くて)話が下手だと、「いいから早く音楽を!」って思うだろうな。
  • 路上演奏家は、なんのために路上で演奏しているのか。
  • 通りすがりの人との出会いだよね、と思ってるんですけど、どうですか。
  • 合奏したいだけなら、内輪だけでやっているだけでもいい。
  • 路上やコンサートホールへ出て行くのは、知らない人に自分のことを知ってもらいたいからだよね。
  • 話が逸れてる。
  • たしかに、路上で演奏する理由は、出会いを求めているからなのだけど、それ以前のものとして、音楽を聞かせたいわけだ。
  • MCを聞かせたいわけではない。
  • お客さんも、たぶん、MCが聞きたくて立ち止まっているわけではない。
  • いま演奏されていた曲と、次に演奏される曲のタイトルが分かればそれでいいのではないか。
  • むしろ、それすら分からなくてもいいのではないか。


MCの重要性と、その難しさは分かります。私にはとてもできない仕事です。ただ、本当に必要なのかということは考えてみてもいいと思うのです。


私の所属していた吹奏楽団では、定期演奏会が近づくと、大学内や付近のショッピングセンタなどで路上演奏をして、演奏会の宣伝をしていました*4。この路上演奏の目的は、あくまで宣伝です。ですから、1曲演奏するたびに「○月○日に演奏会やりまーす」というMCが入るのは当然のことです。必要なことです。


以前、水戸の芸術館で出会ったパイプオルガンのミニコンサートは、館内放送によるアナウンスがあったあと、唐突に始まり、唐突に終わりました。演奏曲目と演奏者名は、ホワイトボードに書かれていただけでした。この演奏会にとっては、それらは「そんなに必要ではないこと」だったのです。
今日、Q'tで出会ったバンドは、観客がほとんどいなかったからかもしれませんが、MCらしきことはしていないようでした。物足りなさはありましたが、間違っているとは思いませんでした。


まとまりませんが、この辺で終わりにします。知人の皆さん、気を悪くされたらごめんなさい。


あと、あまスタはこれを買うといいと思います。

*1:オペラとか

*2:このあたりは、様々な演奏会に足を運んでいるkuri氏の言及を待ちたいところ。

*3:ホルストの「吹奏楽のための第一組曲」は、ホルストのアイデアの詰め込みっぷりを事前に知っていて聴く方が面白いと思うけど、絶対にその知識があるべきだとはいえない。

*4:いまもやっています