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0-6 CVS / 6.5-9 FFS コンビニの常連客について店員同士で話をすることがある。あの人いつも何時ごろに来て何を買ってくよね、とか、最近あの人見かけないけどどうしたんだろう、とかその程度の雑談。
常連さんのひとりに「顔に痣がある女の子」がいる。彼女の話をしようとしたとき、即座にその特徴を口に出せなかった。なんとなく痣のことには触れてはいけない気がしてしまっていたみたいだ。でもそれがもっとも分かりやすい彼女の特徴であるのは知っている。あっさり「顔に痣がある女の子」と表現することにも、別の表現をしようとしてしまうことにも、悪意も善意もないはずなのだけど、なにかすっきりしないものがあるのはなぜだろう。
ファストフード店のお客さんも常連ばかりだ。朝の、出勤前の時間帯だからだろう。注文の内容もほとんど変わらない。
コーヒーを注文したお客さんには砂糖とミルクを渡すことになっている。最近になってようやく常連客の顔と嗜好を覚え始めたので、ブラックコーヒーを飲むお客さんには砂糖とミルクを渡さないようにしている。本来はするべきサービスを提供しないことによって、「あなたのことを覚えていますよ」という意思表示をしていることになる。たぶんこれはお客さんにとっては嬉しいことだろうと想像する。常連客は当然私のことを覚えているだろう。ほとんど毎日いるのだから。自分の提供するサービスは彼らにどう受け止められているのだろうか。